「放流ニジマス」REBEL/Jointed Minnow J10 ②

「ブクブクタンク」という商品をご存知だろうか。

 

 

活魚運搬用のエアポンプ付きポリタンクである。

 

 

類似した製品は他にもあり、もともとは、どれもオトリ鮎なんかを入れることを想定していたようだ。

 

 

そのため、最低限の機能でありながら、一昼夜の釣行であれば、十分に魚を生かしておくことができる。

 

 

また、サイズも10〜15L程度とコンパクトで、簡単に持ち運ぶことができる。

 

 

評判は、趣味で魚や水生昆虫を採取する人たちの間でも広がり、昨今はホームセンターなどでもよく見かけるようになった。

 

 

ぼくがこの種のタンクを手に入れたのは、今から30年ほど前、小学生のときだった。

 

 

普段は小魚を生かすために使っていたのだが、

冬のある日、

友人Iと共に、釣ったニジマス数匹をタンクに入れ、持ち帰り、学校の池に放した。

(ちなみに、その後、草魚を放したこともある。)

 

 

もちろん、夜、誰にも見つからないように。

 

 

小学校の池には大小かなりの数の鯉が飼われていたのだが、

ぼくとIはエサの隠し場所を知っていて、

時々くすねては、さり気なく、池に撒いていた。

 

 

その池に数匹のニジマスが加わったのである。

 

 

これが興奮せずにいられようか。

 

 

さすがは、もともと養殖のニジマス。

 

 

エサの食べ方が尋常じゃないほど激しかった。

 

 

ゆ〜っくりパクパクしている鯉の横で、

「バシュッ!バシュッ!」と飛沫をあげながら、狙いすましたように、

疾風の如くエサを喰らう。

 

 

もう、おもしろくて、おもしろくて、たまらなかった。

 

 

しかし、所詮は小学生。

 

 

2週間もすると飽きて、間もなく、その存在すらすっかりと忘れてしまった。

 

 

それから数ヶ月が経った5月のある日。

 

 

朝、登校すると、池の周りに数人の先生と用務員のおじさんが集まって、何やら話をしている。

 

 

足もとには、半なまのニジマス…。

 

 

「あっ…忘れてた…」

 

 

水温の上昇に耐えきれなくなり、池から飛び出したのだろう。

 

 

池の中にはまだまだニジマスがいる。

 

 

それから、ぼくらは敢えて池に近づかないようにしたのだが、

数日のうちに、ニジマスは全滅することとなる。

 

 

ほぼ毎日、池に“謎のニジマス”が浮くのだから、これまたおもしろくて仕方がなかった。

(↑悪いな…ぼく。)

 

 

でも、一番おもしろかったのは、

生活指導の先生が集会で、

「池にスーパーで買った魚を捨てないでください」

と話したことである。

 

 

心の中で大爆笑。

(↑これまた悪いな…ぼく。)

 

 

ただ、それ以来、ぼくはニジマスを一切食べられなくなった。

 

 

多分、“ニジマスの呪い”だろう。

 

 

 

釣れ釣れ度■■■■□

ロスト度■■□□□

レア度■■■□□

「全員目を閉じましょう。先生は怒りません。やった人は正直に手を挙げてください。」度□□□□□

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