’90年代の終わりから乱立したインディーズ系トップウォータープラグ界の雄、スワブ。
個人的な印象として、
スワブは、
ガワの作り方、魅せ方、そしてプロモーション、が抜きん出て上手かった。
その頃、ぼくは、スワブのルアー数種を〈貸してもらって〉ちょいちょい試用していた。
杉中満氏は、ビルダーの中でも、おそらくトップクラスの技巧派である。
環境も整っていたに違いない。
当初から、コンセプトが明確であったし、なかなかに堅牢で、仕上げの美しいルアーを完成させていた。
(最初期の作品はやや造りが荒かったが)
ただ、、
“ガワだけ”
なのである。
氏は、ものづくりのセンスには長けていても、釣りのセンスはそれほどでもないのだろう。
ルアーの形をしたアート的作品としてはおもしろいのだが、
中身—ルアーとしてのパフォーマンス—となると、それはまぁ、お粗末であった。
※氏の後期の作品は知らないので、悪しからず。
ただの一つとして、バランスの整ったものに出会うことがなかった。
泳ぎの質が悪い。
(もちろん釣れなくはないし、雰囲気を楽しむのであれば別にいい)
その上で、
使い方(演出)をユーザーに委ねる
という…。
これは、
自らがリリースしたルアーのアクションに、哲学や信念、自信がないとき、
ブランドやビルダーがよくやる、お決まりのパターン。
(「泳ぎの質がよく、その上でユーザーに使い方を委ねる」のとは全く違うことをここ強調したい)
さすが、インディーズ系トップウォータープラグ界の雄である。
そんなわけで、2000年代の初め、スワブのルアー数種をちょいちょい投げていたのだが…
唯一おもしろいと思ったのが、これだ。
見たまんまのフローティングバズ、
『チカティロ』。
おもしろいと言っても、使いどころがないのは分かっていたし、大体6,000円もして、正直いらなかったのだが、、
スワブのルアーをいろいろ貸してもらっていた手前、
そのまま全てをスルーするのは悪い気がして、
買った。。
ウエイト/31.5g
ボディ長(金属部品を除いた茶色い部分の長さ)/約95mm
ペラもボディもボリューミーなので、“止めて喰わす”は成立し難い。
しかし、基盤となるアクションが、同ブランドのラインアップの中では比較的洗練されているように感じた。
まず、ボディのロールがおもしろい。
ペラに追従しながらも、異なったリズムでロールするボディは、見ていて飽きない。
(ただ、釣れそうにないので、すぐ投げるのをやめる)
そして、首振りも容易。
(糸がらみを防止するために、ライン先端をチューブに通すなどの対策は必須)
ただ巻き時のバズサウンドは、どうやっても、地味。
首を振らせると、buzzy。
まっ、派手にバシャバシャさせると、一発いいサイズが出るか、場を荒らすか、なのだが、、
それがロマンだ。
※選んだ自分が悪いのだが、このカラーは極めて釣れなそうである。笑
さて、そんなスワブ…
ここ7〜8年見かけないけれど、
廃業したのだろうか。
そういうふうにユーザーを置き去りにするところも、
インディーズ系トップウォータープラグ界の雄たる所以である。
(効果には個人差があります)
釣れ釣れ度■□□□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■□□
「LOUIS VUITOON」度■■□□□