以前、聞いた話。
ダム湖でボートを浮かべていると、ハクビシンが泳いで近づいてきた。
その愛らしい姿に、釣り人は、ついつい手を伸ばしてしまった。
指先にカプッと咬みつくハクビシン。
釣り人が対処しようとする間もなく、ハクビシンは、激しくローリングを始めた。
指が引きちぎられていく感覚。
感染症の恐怖。
釣り人がこのときに味わったであろう激しい痛みと絶望感は、筆舌に尽くしがたい。
釣りにこの手の話はよくある。
確かに、釣り場で野生動物に遭遇することは少なくない。
(まっ、ほとんどがイタチだけど)
ぼくも、
房総の山間部にあるダム湖で陸っぱりをしていたとき、
至近距離で巨大な雄ジカに遭遇したことがある。
何本にも枝分かれした、鋭く立派な角。
さすがに、このときは、角でボディを貫かれるんじゃないかと思って、少しビビった。
ウシガエルを“どかそうと思って”ロッドでつついたら、
逆に咬みつかれて、
ロッドが粉砕したこともあった。
さて、、
水面でぐるぐるローリングするといえば、
このルアーだろう。
「ガウディ」シリーズから、『オリジナル』。
セブンの「カリカリコーン」にそっくり。笑
高校生の頃、ときどき行く釣具店「丸勝」に、ときどき置いてあった。
3,500円位だったかな。。
バルサ材をカッターナイフ一本で彫り込み、この形状を生み出しているらしい。
姿形は全く違えど、多分、ビッグバド系のルアーなのだと思う。
魚がいそうな場所で、基本、ただ巻くだけ。
もちろんロッドワークにも反応するけれど、
軽すぎて(しかもボディ自体が回転しちゃうから…)、
“ポッパーのカップ”的な要素をもった螺旋部分をうまく活かすができなかった。
だから、
ただ、ゆっくりと、
くるくる…くるくる…
水面を泳がせるのがいい。
それでも、オートマチックであることが災いし、なかなかこっちの意図を酌んでくれない。
「そうじゃない」
「そっちじゃない」
なんてことを言いながら使っていると、
知らない間に釣れてる。
「BITE-EM-BATE」だったり、
PACHNER & KOLLERの「Spinning Minnie」だったり、
こういう“ボディがくるくる回転する”意匠は、昔からある。
しかし、実用的なのは、やはり「ガウディ」だ。
第二次バス釣りブームの頃はなかなか買えなかったが、今なら簡単に手に入るだろう。
製作者の森田明雄氏は、当時、現役の広告代理店マンだったらしい。
それにしては、
土臭いというか、
無味乾燥なルアーである。
釣れ釣れ度■■□□□
ロスト度■□□□□
レア度■■□□□
「野性を磨け。ダイワ」度□□□□□