Nils Master/Invincible Joint

“アメリカにおけるバス釣りの人気、知名度、は、ちょうど我が国におけるゴルフのようなものである”

 

 

このような一節は、昔から、バス釣り専門誌で幾度となく目にしてきた。

 

 

日本では、猫も杓子もゴルフをやっている。

 

 

子どもでもゴルフというスポーツがあることは知っているし、

 

パターゴルフなんかも含めて“ゴルフに触れたことがある人”、

 

さらには“ちょろっとでも目にしたことがある人”、

 

となると、その知名度はほぼ全国民になるのだろう。

 

 

…アメリカではバス釣りってそれほどのものなのだろうか。

 

 

結論からいうと、これ、全然違う。

 

 

全くゴルフレベルにはない。

 

 

ゴルフに失礼。

 

 

要は、

 

アメリカでもそこまではメジャーじゃないですよ

 

と。

 

 

で、アメリカにおいてバス釣りは、

 

「ド田舎の象徴」。

 

 

“ちゃんとした”アメリカ人の友人がそう言っていたのだから、間違いない。

 

 

ニューヨークで暮らしている身内や日本人の友人も、

 

「バス釣りなんて見たことも聞いたこともない」

 

と言っている。

 

 

ゴルフなのに?

 

 

さらに、アメリカに数年間滞在し、実際にバス釣りを楽しんでいた友人は、

 

「アメリカでバス釣りをやっている人は、基本みんな飲酒運転」

 

と言っていた。

 

 

ほらっ、“ド田舎ならでは”だ。

 

 

(半分、冗談だと思いたいが…)

 

 

当然、

 

母集団の大きさから、その市場規模は日本とは比較することができないほど巨大なものであり、

 

地域によっては、バス釣りはたいへん身近な存在でもあろう。

 

 

まっ、ニューヨークでだってバスは釣れる。

 

 

でも、前出の“ちゃんとした”アメリカ人の友人が言うには、

 

「すげーイケてない」

 

「ちょっとやばめの人たち(←かなり意訳)がやってる」

 

んだと。

 

 

結局、どうしたって、「バス釣り=ド田舎」なのである。

 

 

その認知度や在り方は、

 

ひと昔前だと、我が国における「肥溜め」、

 

現代だと「シャトレーゼ」とか「コイン精米所」、

 

のようなものではなかろうか。

 

 

都会に住む人間にとっては伝説のような存在でありながら、田舎に行くと普通にある…みたいな。

 

 

これが、ニールズマスターの話につながる。

 

 

ラパラ→正義、ニールズマスター→悪、みたいな構図があるが、違う。

 

 

ニールズマスターだって、生産国フィンランドではもちろんのこと、本場ではちゃんと正義なのだ。

 

 

その事実は、我が国においても、現在中高年のバス釣り愛好家にとっては至極当然のことかもしれない。

 

 

だが、ニールズマスターを好意的に受け止めるのは、あくまでも中高年層のみ。

 

 

ぼくをはじめ壮年世代にとってのニールズマスターは、

 

フィニッシュ、テイスト、で差別化を図ってはいるものの、結局はラパラとほぼ同じようなルアーであり、

 

限りなくニセモノ的であった。

 

 

少年時代は、

 

二大ブランドを比べながら、

 

ラパラ使ってる→格好いい・そりゃ使うよね

 

ニールズマスター使ってる→格好悪い・笑いもの

 

みたいな構図が仲間内で出来上がっていた。

 

ニールズマスターといえば、このナマズ顔。

 

 

まっ、壮年世代にそんな印象をもたれてしまう要因は、

 

ニールズマスターを取り扱っていた宇崎日新が、比較的短期間で取り扱いをやめてしまったから

 

にある。

 

 

それだけで、別にどうってことはない。

 

 

使ってみると、普通に釣れる…むしろラパラより釣れることもあるわけで。。

 

 

マイナーってだけで、ニールズマスターは、どれもいいルアーなのである。

 

 

さて、『インビンシブル ジョイント』。

 

ウエイト/19.0g

ボディ長/約120mm

 

 

ニールズマスターの顔とも言うべき『インビンシブル』のジョイントモデル。

 

 

特筆すべきは、やはり、ジョイント部(下半身)の金属が平板であること。

 

 

(製造時期によって、ただのワイヤー仕様もある)

 

 

ぼくは、はじめ「縦の動きを抑制したかったのだろう」と考えた。

 

 

しかし、よくよく考えみると、ジョイントのラパラもレッドフィンも、下半身が縦に振れたり、ぐるぐるしちゃったりするなんてことは皆無。

 

 

じゃ、一体、平板を奢った真意とは。。

 

 

おそらく、強く、ロール系のアクションを出したかったんじゃないかと。

 

 

縦方向に振れるエネルギーが、ボディを横に倒そうとする力に変換され、

 

結果、ジョイントミノーには珍しく、明確かつ華麗なロールを披露する。

 

 

それこそがニールズマスターの狙いであり、

プライドなのである

 

…多分。

 

 

一年に一度、フィールドによっては、大きめのジョイントミノーにだけに反応するタイミングが必ずある。

 

 

クラシカルなルアーが好きな人も、そうじゃない人も、名作『インビンシブル』の一つや二つ持っていてはいかがだろうか。

 

 

中古で1,500円も出せば、一度も使っていないような個体が手に入りますから。

 

 

ニールズマスター、食わず嫌いしないで、ぜひ。

 

釣具的なものではなく、日用品的なスプリットリングが付いてくる。フックとあわせて交換したい。

 

 

 

ということで、

 

ぼくは田舎が大好き

 

という話。笑

 

 

 

釣れ釣れ度■■□□□

ロスト度■■□□□

レア度■■■■□

「コンビニの駐車場やたら広い」度■■■■■

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