ヘミング/ヘキサミノー オープンマウス

バスにも、当然、いろいろな“死に方”があるのだろうが…

 

 

小学生のとき、

 

“魚には、内蔵器官が健康であっても、体表や肉が少しずつ腐って死に至るケースがある”

 

“魚にとっては、それも一つの自然な終焉の在り方なのである”

 

みたいなことをテレビ番組でやっていた。

 

 

にわかには信じ難い話であったが、

 

(まっ、当時から魚・生きものは大好きだったので、真剣には観ていた)

 

それから10年程が経ち、ぼくは、片側の頭部がないバスを釣ることとなる。

 

 

奇形でもなければ、おそらくは病気でもない。

 

 

“死の直前”なのだろう。

 

 

削がれたような状態で肉が露出し、鰓蓋の一部は腐って穴が空いていた。

 

 

「普通にルアーに喰ってくるのに」である。

 

 

ヒットルアーは、

 

ヘミング『ヘキサミノー オープンマウス』。

 

ウエイト/5.0g

ボディ長/66mm

(いくつかサイズがある中の小さいほう)

 

 

バスバブルの置き土産系ルアーだ。

 

 

もともとはトラウト用だろうか。

 

 

 

ちょうど、ぼくが、弱〜いアクションの—極端に言ったら“動かない”—ルアーに凝っていた時期で…

 

ゆっくり巻いたときの微かなロールが妙。

 

 

群れからはぐれちゃった瀕死の小魚を演出したい。

 

 

それが効く。

 

六角形(hexagon)。

 

 

 

それなりに速く巻くとテロテロとよく泳ぐけれど、やはりインパクトは弱い。

 

 

潜った状態でちょんちょんやると、なかなかどうして。。

 

 

(ただ、浮力の割に、全然潜ってはくれない)

 

 

 

結局のところ、見ため以外は個性に欠ける。

 

 

全てのアクションが曖昧、というか、

 

弱いならもっと弱くていいし、

 

パタパタも、うねうねも、微妙。

 

 

ゆえに、信者じゃなければ、使う意味なし。

 

「岩にぶつけてもリップが折れない」を売りにした意匠。

 

 

 

とか言って、前述のバスは、間違いなくこの小さな『ヘキサミノー オープンマウス』だから釣れたのだ!

 

 

 

さて、元来ヘミングは、堀本敏和氏による高価なハンドメイドルアーブランド。

 

 

バスバブルの頃、需要に供給が追いつかないとのことで、発泡素材の量産モデルをリリースしたのだ。

 

 

(我々がよく目にしていたのはこの量産モデル)

 

高密度発泡素材をABS樹脂で包んでいるらしい。

 

 

 

3,000円しないくらい。

 

 

ヘタウマっぽい作風がいい。

 

 

 

釣れ釣れ度■■□□□

ロスト度■■□□□

レア度■■■□□

「死にそうな魚を死にそうな魚で釣る」度■■■■■

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