『Klawdad』と同時期、90年代中頃のルアー。
デザイナーも、同じくTom Seward氏。
※このシェイプとくれば、スワード氏か川村光大郎氏だ。笑
早々にコケたところも、『Klawdad』と同じ。
※うれしい「Made in U.S.A.」。アユカラーはポパイSPだったような気がする。
ルーハージェンセン『ディープ シークレット』
このルアーのアイデンティティは、
一にもニにも、エキセントリックなリップの造形、
そして、そのリップによるアクション、
だろう。
※ウエイトは21.0g(実測値)。
ただ見つめていたい
言葉なんていらない
唇で語り合おう
※リップ裏。知人は「和式便所」と言っていた。
…まぁ、真面目な話をすると、バルサやシダー(セダー)ウッド製のルアーと同じようなアクションを出すための造形らしい。
水を逃がしながら。
(正直、スワード氏の考えていることが怖い…)
基本的には、細かいバイブレーションを得意とするタイプ。
でも、リップが水を逃がしちゃう(圧が抜けちゃう)もんだから、安定はしない。
※カタログ値では5m以上潜ることになっているが、巻き抵抗は意外なほど小さい。
規則正しく泳いだかと思ったら、突然「ダダッ、ダダッ、、」とイレギュラーに躍る。
やはり、そこがねらいか。
極端な逆立ち姿勢で(←これはこれで、ものすごく気もち悪い)、一気に潜っていく
…と思わせつつ、頭をそれほど下げずに、水を逃がしながら、緩やかに潜っていくこともある。
稀に、リップのドーム状になった部分に空気が溜まったままになってしまい、リーリングを開始しても潜ることができず、水面を滑ってきてしまう。
※ちょこんとした背びれも侮れない。
さらには、ボディに対してこれだけ大きなリップをもちながら、ちょいちょい根掛かる。
つまるところ、『ディープ シークレット』は“使い難い”…というか“めんどくさい”。
(どんなものでもそうだけれど、奇抜なシステムを奢ったものって、ほぼ例外なく大したことない)
投げ続けるには、ウイークポイントが大きすぎるのだ。
※「“DEEP SECRET” 1/2」…一体、何が1/2なのだろう…。
規則正しい泳ぎからの「ダダッ、ダダッ、、」は本気で釣れそうなのだけれど、
『ディープ シークレット』じゃなきゃだめ
という状況は、確実に、ない。
少なくともぼくの行く釣り場では。
(ディープクランクだったら何を投げても釣れた頃の北浦で釣ったことはある)
で、消えた。
でもね、魚が釣れなくたっていい。
※この造形は「スタバのふた」にも通ずるものがある。
こんなにも過激で、難解な、常軌を逸したリップをもっているのだから、、
それでいい。
ずうっと愛でていられる。
※結局このルアーは「前衛芸術の類い」なのだと思う。芸術は得てして難解なものだ。
本来の設定はサスペンドだけれど、実際にはスローフローティング。
釣れ釣れ度■□□□□
ロスト度■■□□□
レア度■■■□□
「新機軸に挑む姿勢は評価したい」度■■■□□