bagley/MISS LIBERTY(TALL WALKER #4)

「○○買い」

 

 

いろいろな言葉が当てはまるだろう。

 

 

スタンダードなところでは、「衝動買い」や「大人買い」だろうか。

 

 

コロナ禍以前は「爆買い」なんて言葉もよく耳にした。

 

この時代の赤針は、一般には、デザインとしての要素しか持ち合わせていなかったように記憶している。

 

 

友人は、ある日突然「車が欲しい」と言い出し、販売店で実車を見ることなく、「カタログ買い」をしていた。

 

 

とにもかくにも、さまざまな“買い”の形が存在していることは確かである。

 

 

これが今回のルアーの話につながる。

 

格好よさの決め手は瞳が赤いこと。

 

 

なにしろ、ルアーの場合、「ニオイ買い」というものが成立するのだから。

 

 

 

大好きなバグリー。

 

 

その中でも特に大切にしているものの一つが、この『ミス・リバティ』である。

 

MISS LIBERTY…「自由の女神」の意か。

 

 

元はただのトールウォーカー』なのだが、、

 

ラメラメ星条旗カラーを纏い、

 

社の40周年を記念して発売された限定ルアーのようなのだ。

 

 

 

’90年代の中頃〜後半、ポパイ246で購入。

 

(バグリー社の創業が1954年なので、40周年と合致する)

 

 

そう、「ニオイ買い」である。

 

 

ケースを開けた瞬間、スパイシーな苦みが鼻腔を突き抜ける。

 

 

次第に、粘膜にまとわりつくような甘ったる〜いフレーバーが存在感を増し、濃厚な変化を魅せる。

 

 

ラストノートには腐敗臭が添えられ、吐き気を催す。

 

 

ポパイ246でそのニオイを嗅いだ瞬間、

 

「あぁ…これがアメリカなんだ…」

 

と、青かった私は萌えに萌えた。

 

 

「誰にも触らせまい」

 

と、ぎゅっと握りしめ、レジへと走った。

 

“走った”と言っても、レジ前のショーケースに置かれていたのだが…

 

 

購入後、投げたのはたったの1投。

 

 

その後は、“アメリカ臭”が飛ばないよう、ケースの上からビニール袋で包み、密閉し、冷暗所に保管してきた。

 

 

 

今回、実に25年振りに開封。

 

 

じっくりとニオイを嗅いでみたのだが、、

 

アメリカを感じることも、ニオイに萌えることも、全くなかった。

 

 

そもそも、アメリカでこんなニオイを嗅いだことは、ただの一度も、ない。

 

 

むしろこれは「フレッシュなゲロ臭」である…

 

 

そう、つまりは、“池袋臭”なのかもしれない。

 

 

そんなことも分からず、“アメリカ臭”だのとのたまい、欲望にも似た情熱を燃やしていたあの頃のぼくって、、

 

否、当時は、本当に、情趣あふれるアロマだったのだ!

 

 

 

さて、『ミス・リバティ』。

 

 

もともとの『トールウォーカー』に至っては—中古ショップで数百円だろう—不人気を地で行くようなルアーなのだが、

 

ラメラメ星条旗カラーになると、、

 

化ける。

 

 

現在の相場で1万円といったところか。

 

(完品であれば1万数千円は下らないだろう)

 

 

 

最後に。

 

 

中古ショップなんかでも、やっぱり「ニオイ買い」ってありますから。。

 

 

 

釣れ釣れ度■■□□□

ロスト度■□□□□

レア度■■■■■

「『ゲロの街』頂上決戦 池袋VS蒲田」度■■□□□

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