Bulldogin’ Power Studio/BOB SAPP ③

一時期通っていた河川では、カラスがハトを襲っている光景をしばしば目にした。

 

 

空中でカラスにアタックされ、ひとしきり激しく絡み合ったと思うと、ハトは決まって落下する。

 

 

落下したハトは、そのまま数秒間、長いときで数分間、川面で「バタバタ…」ともがいた後、事切れるのであった。

 

 

 

一度、ハトを助けようと思い、ルアーでやさしく引っ掛けて、寄せてきたことがある。

 

 

しかし、引き寄せたハトを目の前にして、ぼくは愕然とした。

 

 

頭部が無かったのだ。

 

 

否、

目とか脳のあたりを“くり抜かれている”

と言ったほうが正しいか。

 

 

後日、いつもその釣り場にいる翁から、

「カラスはハトの脳みそだけを食べる」

「脳みそが美味しいんだ」

などと聞かされた。

 

 

翁も、その情報も、まあ怪しいのだが、、

実際に何度も目にしたことなので、

「カラスはハトの脳みそを食べる説」

をぼくは今でも信じている。

 

 

 

「美味しい」といえば、釣り場付近では他にこんなことも。

 

 

カエルの死体—礫死体というより、ふっくらとした状態の死体—は、脚だけがなくなっていることが多い。

 

 

カエルは脚が美味しいのだ。

 

 

(「鶏肉に似てる」って、よく言われるでしょ)

 

 

カラスや野犬、そしておそらくはタヌキやイタチなどの野生動物は、

カエルが新鮮なうちに、

まず、脚を喰らう。

 

 

 

新鮮なカエルの死体—ぺしゃんこじゃなくて、立体的な死体—を見つけたら、ぜひ、離れて観察してほしい。

 

 

それほどの時をおかず、カラスが脚部をついばみにくるだろう。

 

(野犬にはくれぐれも注意を!)

 

 

 

それにしても、、

 

2003年の大晦日。

 

 

「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」でボブ・サップにKOされた曙太郎の姿は、

ふっくらしたカエルの死体にしか見えなかった。

 

 

それよりもほんの少し前、2000年代の初め、全盛期のボブ・サップはとにかく強かった。

 

 

圧倒的なパワー。

 

 

かつタフネスであり、

リズム、スピード、も兼ね備えていた。

 

(程なくして、棒立ちでボコボコにされて、すぐ泣くようになったが…)

 

 

 

このルアーもそう。

 

 

ブルドッギンパワースタジオ『ボブサップ』

 

ウエイト/43.0g(実測値)

 

 

狙ったスポットに「ズドン!」と入る。

 

 

多少のゴミは、ものともしない。

 

 

まさに「暴走機関車」。

 

 

クラス最大級の圧を周囲に与えながらも、アクションは実に軽快。

 

 

「ペタッ、ペタッ、ペタッ、ペタッ…」

とリズムよく泳ぐ。

 

 

本人の活躍と同時期のルアー。

 

 

風来堂で購入。

 

 

「ブルドッギンパワースタジオ」は、インディーズブランドの中でも、知る人ぞ知る存在。

 

(もちろん、今は、ない)

 

 

生産数も多くはないだろう。

 

 

 

本物のボブ・サップと異なる点は、昔も今も変わらず強いこと。

 

 

よく釣れる。

 

それも、ふっといバスが。

 

 

利根川水系の幅2mにも満たない水路で50クラスが連発したのは、いい思い出である。

 

 

“もよもよした”枯れ草をボディに絡めて泳ぐ『ボブサップ』。

 

 

岸際のブッシュに引っ掛かってもいいので、最後の最後まで、ひたすら一定のリズム、スピード、をキープ。

 

 

結果、いずれも足元で「ボゴンッ」と喰ってきた。

 

 

 

そうそう、、

やっぱりこのルアーはこのカラーリングだと思う。

 

 

それでね、、

白い部分は、もちろん、「ファイティングパンツ」を表しているのだろうけれど、

これこそ「腹巻」だよ

 

黒褐色の素肌にちゃんと巻いてるんだから。

 

 

ということで、「第2回 ベストハラマキスト」受賞。

 

 

 

釣れ釣れ度■■■□□

ロスト度■□□□□

レア度■■■■■

「美食家」度■■■■□

*