2000年頃から数年の間、インディーズ系のトップウォータープラグは、どんなものでも売れていた。
とにかく“何でもあり”だった。
だから、こんなものも発売されてしまった。
アントレックス『風神ペンシル』
なんだろう…
こういうのは違うんだよなぁ。
“やっちゃってる”っていうか…
眺めていると、だんだんとこっちが恥ずかしくなってくる。
バス釣りを楽しむ立場としては、上げちゃいけないルアーだったのかもしれない。
ウエイト/15.8g
ボディ長/93mm
価格/4,800円(数が少なすぎて、現在の取引価格は皆目見当がつかない。高くはないだろう)
う〜ん、まぁ、一般の方々から気もち悪がられる系ではないのかもしれないけれど、
“神”をぶん投げることには、ぼくでさえかなり抵抗を感じる。
方向性もよく分からなければ、完成度に関しても謎が多い。
ルアーとしてのパフォーマンス—例えば水絡み—を求めるのなら、
もっとガッツリと、
深く彫らなければダメだろう。
作品としても、
ひどい造形だ。
この程度の彫刻なら、ぼくも中学生の頃にはやっていた。
「ちょっと器用な素人」が彫っていたくさい。
※せめてグラスアイは風神の目の位置に埋めてほしかった。
また、カラーリング(フィニッシュ)も理解に苦しむ。
素材のよさを生かしたかったのだろう。
しかしこれでは、
休日のお父さんがDIYでウッドデッキにラッカーを塗った
みたいな雰囲気だ。
彫りの甘さも相まり、
未完成っぽいというか、
手にした者に「本当にこれでいいのか?」という一抹の不安を与える。
いやね、そもそも本当に売れると思ったのかな。。
誰かにそそのかされた感が強いなぁ。
「先生、こんなにすばらしいルアー今までなかったですよ!」
「これは人気出ちゃいますよ〜」
「プレミアついちゃうんじゃないですか!?」
などと。
まっ、当然コケたはコケたのだけれど、
生産数の少なさから、
それほど損失を出さずにはすんでいるはず。
(あっという間にブランドは消えたっぽいけど…)
結局のところ、その全てが“味”であり、
つまりは“濃厚なテイストのルアー”ということ。
こういうのも、たまには、食したくなるものだ。
無論、他に「雷神」もいる。
(持ってないけれど)
釣れ釣れ度ー
ロスト度■□□□□
レア度■■■■■
「風が吹き始めた瞬間を見逃すな」度■■■■■