「完敗」ライフベイト/クイックペンシル

小学生のとき、「毒の木」と呼ばれる木が通学路にあった。

 

 

よくある小学生の噂話にすぎなかったのだが、

 

ぼくらは本気で死ぬと思い、

 

毎日、息を止めて「毒の木」の脇を走り抜けていた。

 

 

 

大人になってからも不可解な植物に出会ったことがある。

 

 

「強い草」である。

 

 

 

利根川水系のとある水路にそれはあった。

 

 

茎径10mmにも満たないヨシに似た植物なのだが、

 

わずかばかりの土地に密生し、その一部が、水路を覆うように倒れ込んでいた。

 

 

その下—オーバーハング—に潜むバスを狙うわけなのだが、

 

ルアーが草に引っ掛かると、まぁ〜外れない。

 

 

ロッドを煽れば、草なので、当然ガサガサと揺れる。

 

 

しかし、そこから先がどうにもこうにも…。

 

 

冗談じゃなく最初はロープか何かだと思ったし、

 

感覚としては鉄筋にも近い。

 

 

根っこも強けりゃ、茎も強い。

 

 

引っ掛かったら最後、びくともしないのだ。

 

 

 

後輩に借りたパラノイアのペンシルベイトをぼくが一度、

 

ライフベイトの『クイックペンシル』を後輩が一度、

 

同じくライフベイトの『クイックペンシル』をぼくが一度、

 

の計3度引っ掛けて、3度とも持っていかれた。

 

 

60lbのPEでも、「強い草」には傷ひとつつけることができなかったのである。

 

 

(このとき釣り場にはごみを残していない←念のため)

 

 

 

ちなみに、当時この水路では、太いバスがばかすか釣れた。

 

 

トップウォータープラグで。

 

 

とは言え、アクションは非常に大事で、、

 

 

釣れるルアーは、

 

しっかりと水を掴んで攪拌しながら、素直に、軽快に、泳ぐものに限っていた。

 

 

そう、ライフベイト『クイックペンシル』のように。

 

 

 

釣れ釣れ度■■□□□

ロスト度■□□□□

レア度■■■□□

「アメコミヒーローが持ってる世界最強の何かしらの武器の原材料」度■■□□□

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