10年程前、腕時計を買いに行ったとき、最も成功した新興ブランドとして「HUBLOT」を紹介された。
似たような話を、最近、インディーズ系のルアービルダーからも聞いたことがある。
「最近、最も成功したブランドは『トップブリッジ』」
「今一番勢いがあって、とにかく格好いい」
等々。
さらには、
「今、最も手に入れることが難しいルアーブランド」
なのだという。
古いものなら、ぼくもいくつか持っている。
トップブリッジ『ヘッドバン』
出会いは、2003年、品川の風来堂。
それこそ、ブランド最初期のものだと思う。
当時は、人気がないというより、全く知られていなかった。
(決して上手くはないが、ものすごく丁寧に、心を込めてブランド名を書いている)
ごてごてしていないところなんかは初見で気に入ったのだが、
洗練されたスタイリングに対して、
造りはまだまだ、素朴で、荒削りな印象を受けた。
とはいえ、ルアーからは、ビルダーの人柄やマインド、魂みたいなものが伝わってきて、
まず、そこに強く惹かれた。
そして、
「まっ、試してみるか」
という気もちで購入したことを覚えている。
今は定価で大体10,000円はするようだけれど、その当時は5,000〜6,000円だったような気がする。
だから、“試しに”買うことができたのだ。
結論として、、ガツンとやられた。
ケタ違いに、いい。
軽快なターン。
ボディの水押し。
襟巻きによるスプラッシュ。
ジョイント部分から発せられる、水よれ、泡沫。
ヘッドと襟巻きとの衝突音は、まるで楽器が奏でたような美しさ。
水中はおろか、心にまで響いてきた。
ちなみに、釣れ具合は、普通。
その後、ぎりぎりもう一つだけ購入することができたのだけれど、、
今はもう、とんでもない。
特別なモデルだと、平気で30,000円以上で取引されている。
(経年劣化によって、ところどころコーティングが浮いてきてしまった)
バカみたいにプレミアが付いていて、全然動かないルアーをぼくは知っている。
しかし、『ヘッドバン』は、本当によく動くし、何より、動かしていて楽しい。
感銘すら覚える。
現在、インディーズ系ルアーブランドの中にあって、
「トップブリッジ」は、間違いなく、
孤高を持し、頂点に立つ。
それゆえ、プレミアが付いていても、まぁ、許せる。
絶対買わないけど。
釣れ釣れ度■■■□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■■■
「成功へと導いたのは『ニッチな戦略』と『革新』」度■■■■□