もう一体あるので、
「樽の中から現れる動物は何なのか」
まじめに考えてみたい。
まず着目したいのは、尾の形状である。
先端部の毛が房状になっていることが分かる。
これはウシ科の動物に多く見られる特徴だ。
この時点でタツノオトシゴ説は消える。
加えて、頭部から伸びる角状の突起。
そこから、前回はガゼル説に触れたが、
尾の造形がガゼルにしては長すぎる。
となると、頭部、そして尾のシルエットは、シロオリックスなどと合致しそうだ。
しかし…である。
アフリカからアメリカに移入したとはいえ(アフリカでは絶滅)、
家畜ではない稀有な動物を
「ノベルティルアーCo.」がルアー(の一部)にするとは到底考えられない。
ましてや、サンボである。
このルアーは、タブーに触れた、悪趣味な物語をもたなければならないのだ。
よって、これらの説は、弱い。
それでは、
基本に立ち返り、
ウマはどうだろうか。
頭部の突起を手綱とするには多少無理が生ずる。
これを耳であるとするならば、
耳の長いウマ科の動物…
そう、ロバである。
ロバなら、尾の造形についても、合点がいく。
では、
ロバに、
「ノベルティルアーCo.」は、一体どのような物語をもたせたのか。
「獣姦」である。
『Jock-E-Jo』は、
黒人男性とロバとの
「獣姦」を暗に表現しているのだ。
斯くして、ここに、このルアーの存在意義である「ブラックジョーク」が成立するに至る。
今となっては確かめる術もないが、以上が私の結論である。
(多分、本国でも、まだ誰も気づいていないはず。あっ…タブーなのかな)
私は、この「ロバ及び獣姦説」をもってして、サンボ研究に一石を投じたい。
さて、手持ちの『Jock-E-Jo』を並べてみて、初めて気づいたことがある。
今回アップした個体(下)の方が、ひと回り小さく、華奢なのだ。
脚ももちろん細いので、樽がストンと下まで落ちてしまう。
にわかには信じがいが、同時期に複数個の金型が存在していた証拠である。
『Jock-E-Jo』
…その立ち位置は、決して、「ジョークグッズ」「トイルアー」などではない。
歴史を刻んだ正統派ルアーなのである。
「ノベルティルアーCo.」は、この(シリーズの)ルアーに死力を注ぎ、命運を託したのだろう。
釣れ釣れ度ー
ロスト度ー
レア度■■■■■
「だから潰れた」度■■■■■