Shakespeare/PresidentⅡ 1984~B

学生時代、学校の近くに、バス釣り専門の中古釣具店がオープンした。

 

 

時はブーム真っ只中。

 

 

ぼくは、

どんなもんだろう、、とりあえず行ってみっか」

と早速冷やかしに行った。

 

 

店内に入ると、やっぱり、店員も取り巻きもデブ ふくよか。

 

 

バス釣り愛好家で間違いない。

 

 

レジ前に置かれた椅子に座ってダベっている。

 

 

こちらをジロジロ見てくるが、

バス釣り愛好家の習性なので、

別に気にしない。

 

 

品揃えは…

 

予想通り、欲しいものは何もない。

 

 

長居は無用だ。

 

 

ところが、

帰り際にリールコーナーを眺めていると、

デブ ふくよか(店員の方)が突然話しかけてきた。

 

 

ひとつのリールを指して、

「これ、なんで売れないんだろう?」

と。

 

 

それがこのリール、そのものである。

 

 

シェイクスピア(シェクスピア)『プレジデントⅡ 1984~B』

 

 

どうやら本気でぼくに意見を求めているようだ。

 

 

なんだ、、意外と爽やかじゃないか。

 

 

 

シェイクスピア(シェクスピア)は、往年のバス釣り愛好家にとっては馴染み深いブランドだろう。

(まぁ、ぼくにはパクリ系のイメージなのだが…)

 

売れない理由など全く分からなかったのだが、

「デカイんじゃないですかねぇ」

「ワイドスプールですからねぇ」

「ラインアラームが付いてるし、レイクトローリング用なんじゃないですか?」

「ちょっと高いかもしれませんねぇ」

と適当にアドバイスした。

 

 

すると、その店員は、

価格の変更を即断即決。

 

 

初めて店を訪れた学生の適当な話を聞いて、

いきなり3割引にしたのだ。

 

 

訳が分からない店である。

 

 

で、結局、ぼくが買ったという。

 

 

8,000円くらいだった。

 

 

その頃たまに行っていた千葉県内の川がライギョだらけだったので、ライギョ用に。

 

 

サイドカップのデザインもちょっと格好よかったし。

 

 

もちろんバス釣りにも使ったが、

驚くほどよく飛ぶし、

タフで、

いいリールだった。

 

 

ただ、

デカくて重いので、

間もなくして使うのをやめてしまった。

 

 

何より、ぼくは、右巻きがうまく扱えない…。

 

 

さて、その中古釣具店だが、一年ともたずに閉店。

 

そして、アダルト専門のビデオ店になり、これも数か月でつぶれた。

 

その後、1,000円カットだったり、整体だったり、怪しいスナックだったりしたが、

 

最後は(大学を卒業する頃には)、コインパーキングになっていた。

 

 

 

釣れ釣れ度■□□□□

ロスト度ー

レア度■■□□□

「そんなもんだろう」度■■■■■

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