ポップXというルアーは、ぼくにとっても、バスにとっても、白米みたいな存在なのである。
ゆえに、日常であり、いつもそばにないと嫌なのだ。
以前、とある知人が、
「セミカラーのポップXがものすごく釣れる」
と、事あるごとに言っていて。
その知人がポップXを使っているところをぼくは一度も見たことがないのだが…
釣りの上手い人物であることは確か。
誰かから聞いた話なのか、
「ネットでそんな記事を見た」だけなのか、
ちゃんとした実体験なのか、
知人なりの根拠があるに違いない。
となると、セミカラーのポップX(「CICADA Ⅱ」というカラーみたい)も持っていなければならない。
知人の情報に明確な根拠、説得力、があるか否かは関係ない。
なにしろ白米なのだから。。
ところが、そんなときに限って、セミカラーのポップXが見つからない。
最近まで一つだけぶら下がっていた近所の釣具店からも、
(それまではずうっとぶら下がっていたのに!)
姿を消しているではないか。
後になって何かを欲しがると、得てしてこういうことになる。
まぁ、別にいいか——そう思った矢先、
多分「CICADA Ⅱ」に似たカラーの
あまり魅力的ではないポップXが視界に入ってきた。
『ポップX sw(黒鯛リミテッド)』
この仕様について詳しくはないが、
要は、“sw”イコール、基本クロダイ用。
ルアー本体には、
それが海用であることを主張する、
マットシルバーカラーの、黒板みたいな触感のフック(パーマスティールフック)が付いていて。
パケには、
〈本場浜名湖発信!クロダイ専用チューン〉
なるシールが貼られていて。
裏面には、
“ソルトウォーター専用に季節限定チューニング”
だとか、
“海水での使用を考慮した比重バランス”
“テストを重ね〜多角的に検証してセットアップ”
だとか、大層な事がいろいろと。。
“らしい”っちゃあ、らしいんだけど、
こういう倫理的にぎりぎりな感じのうんちくが、
大好きなメガバスのちょっと嫌なところなんだよな…笑
だいたいさ、内部を(せめてウエイトボールを)いじっていなければ、とてもじゃないけれど「チューニング」だとか「セットアップ」なんて言えないでしょ。
でも、
“POPXswは、従来の淡水用POPXを、ソルトウォーター用にバランスセッティングしてあります”
って書いてあるしなぁ。。
本当にいじってるのかな?
まず、ウエイト。
デフォルト状態では、淡水用ポップXより0.5g弱重い。
浮き角は、淡水用ポップXよりもだいぶ垂直に近い。
これにより、繊細かつ生物ライクなアクションはスポイルされ、よくある普通の派手めなポッパーへと生まれ変わっている。
さて、いよいよここからが本題。
フックを外して浮き姿勢を比較してみたい。
これによって、内部をいじっているか否かが判るだろう。
結果。
浮き角、喫水、姿勢、
どれも全く同じ。
ということは、フックを外した状態でのウエイトは…当然、
同じ。
結局、チューニングって…
フックをかえただけじゃん!
そうして、今一度、パケ裏面の説明文を読んで気づいたことがある。
文章の中ほどに、
“太軸のパーマスティールフックを搭載”
とあるのだが、
これが文脈の中で、前後、どこに掛かっているのかよく分からないのだ。
「ソルトウォーター専用のチューニングもしているし、バランスもセッティングし直しているし、それに加えて太軸のパーマスティールフックも搭載しているんですよ」
とも読みとれるし、
「パーマスティールフックを装着したことで姿勢やアクションが変わったんだけど、それを『ソルトウォーター専用チューニング』とか『ソルトウォーター用バランスセッティング』とかって言っちゃってます」
とも読みとれる。
言うまでもなく後者のように読みとることが正しいのだが、
この説明文は、
よほど学がない人物が書いたか、
または、
文章を書き慣れた人物による、巧妙かつ悪意のある文章構成のような…
そんな気がする。
メガバスは、昔から、
法的には問題なくても倫理的にはアウト
いかにもそれっぽいうんちくを並べ立てて、ユーザーを煙に巻いてくるようなところがある。笑
そこがまた、メガバスフリークのハートをがっちりキャッチするわけで。。
※昆虫も甲殻類も似たようなものである。
まっ、そんなことはどうでもいいのだ!
大事なのは、カラーが「MAT-SHRIMP」ということ。
これでいい。
否、むしろ、これがいい。
マット仕上げで、より一層「CICADA」っぽいではないか。
もちろん「SHRIMP」でもあるし。
中身も淡水用ポップXと変わらないのなら、、完璧だ。
ということで、これからはずうっと、淡水仕様。
釣れ釣れ度■■■■■
ロスト度■□□□□
レア度■■□□□
「インディカ米」度■□□□□