ZEAL/ジタバタ アライくん

これは完全にぼくのミスなのだけれど、

 

否、70%くらいぼくのミスだと思うのだけれど、、

 

 

20年以上前、とある釣り場での出来事。

 

 

しゃがんでルアーを交換していたら、そこに散歩中の犬と飼い主が通りかかった。

 

 

すると、犬は、リードでつながれているにもかかわらず、急にぼくにじゃれついてきたのだ。

 

 

 

ぼくは犬が好きだ。

 

 

いや、もう、本っ当〜に大好きなのである。

 

 

でもね、

 

今、この状況では…

 

ない。

 

 

スナップでちゃちゃっとルアーを交換しているのではない。

 

 

ちゃんとラインをチェックしたり、結び直したりしているのである。

 

 

興奮気味の犬は、傍らに置いてあったロッドまで蹴飛ばしている。

 

 

「飼い主は?」というと、にこにこしながら、ただ見守っているだけ。

 

 

重ねて言うが、リードはつないでいる。

 

 

少し引っ張ってやればいいじゃないか。。

 

 

ロッドやリールがコンクリートに当たってカラカラ音を立てているのに、気づかないはずはないだろう。。

 

 

やや苛立ちを覚えながらも、

 

『ジタバタアライくん』を結び、

 

いざ釣りを再開、立ち上がろう…と思ったその時、

 

今度はその犬がいきなり走り出した。

 

 

同時に、タックルがコンクリートの上をカッカッカッ…と引きずられていく。

 

 

ぼくの指に『ジタバタアライくん』のフックが刺さる。

 

 

(全く気づかなかったのだが)ぼくの周りをうろうろしているうち、犬の足にラインが引っかかってしまっていたようなのだ。

 

 

バカな 飼い主は、「あらまっ」などと言いながら、犬と一緒に走り出す始末。

 

 

人間の能力とは不思議なもので、危機的状況に陥ったときや集中が極限に達したときなど、しばしば周囲の景色がスローモーションになる。

 

 

まずフックポイントが指に触れ、

 

サクッとわずかに刺さり、

 

そこからバーブまで、ズズッと肉の中に入っていく。

 

 

このときも、そんな光景が、ゆっくりと、鮮明に目に映った。

 

 

 

考えるより先に体が反応したようだ。

 

 

気づくとぼくは、自分の手ごと、地面に『ジタバタアライくん』を踏みつけていた。

 

 

 

犬の足に引っかかったラインも外れたようである。

 

 

犬と飼い主は、そのまま、行ってしまった。

 

 

 

残されたのは、お腹にクラックの入った、血まみれの『ジタバタアライくん』だった。。

 

 

さてさて、このサイズになると、正直なところ、『ジッターバグ』一択だと思う。

 

 

帝王みたいなルアーだから…

 

相手が悪い。笑

 

 

見た目どおりのアクションであり、

 

—十分よく泳ぐのだが—

 

そこまでではない。

 

 

アライくんシリーズの中で、これは特に、尾っぽの動きが嘘くさい(気がしてならない)。

 

 

 

オリジナルの『アライくん』はまあまあ外せないし、『チマチマジタバタアライくん』は絶対に外せない。

 

 

でも、『ジタバタアライくん』は余裕で外せる。笑

 

 

(効果には個人差があります)

 

 

それに、クラックから水が浸入するかもしれないしね。。⤵︎

 

ウエイト/13.0g(実測値)

価格/2,980円

 

 

1996年夏発売。

 

 

 

釣れ釣れ度■■□□□

ロスト度■□□□□

レア度■■■□□

「血の味を教えてやるぜ」度■■■■■

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