そういえば昔、
釣り雑誌か何かで、
柏木重孝氏自身が『アライくん』の尾っぽのヒートンについて述べている
記事を読んだことがある。
なんでも、
尾っぽのヒートン(ボディ側)はわざと斜めにしてある
のだという。
いいアクションを生むためのミソである
と。
だから、
“斜めになっていても手抜きや不良品じゃないよ”
“斜めじゃなきゃだめなんだよ”
と、例のアクの強い口調で柏木氏は語っていた。
つまり『アライくん』は、
ヒートンが斜めの状態で組み上げられ、
完成、出荷、となるわけだ。
しかしこれ、、
みんな知っているのかな?
そして、ヒートン斜めは、ちゃんと継承されてきたのかな?
そもそも、尾っぽのヒートンは斜めのほうがいいのかな?
ぼくは、どれも、「いいえ」だと思う。
まず、バス釣り愛好家から、これまでに一度も、この話を聞いたことがない。
ネットにも情報が上がっていない。(YouTubeは未確認)
ただ、ぼくが発売と同時に購入した’94年モデルの『アライくん』は、確かに、
尾っぽのヒートンが斜め45°になっている。
(だから、当時物で、「新品未使用」と謳われている個体でも、ヒートンが垂直または真横を向いているものは、怪しい)
※今回上げた2つは、ズイールの20周年を記念して、2002年に販売されたもの。もともとは6種セットで、プレミアムボックスに入って売られていた。
しかし、である。
間もなくして、
この“斜め度合い”が、
めちゃくちゃ適当に出荷されるようになった。
ほぼ縦真っ直ぐとか。
手抜きじゃん。。笑
※尾っぽ(ボディ側)のヒートンが斜め(左)と真っ直ぐ(右)。
まっ、
増産、増収増益、にシフトしたのか、
メーカーでも(パートさんかな?)「ヒートン斜め」が徹底されなかった可能性が高い。
パーティングラインの処理がひどく雑になった時期もあり、
その頃の柏木氏は、どうも違う方面に熱意が向いていたようである。
結論として、ヒートンの角度はどうだっていいのだろう。
(実際いろいろ試してみたけれど、目視でその違い、効果、を認めることはできなかった)
中古だと、やっぱり、尾っぽのヒートンがきれいに垂直、または真横、を向いている個体が多い。
これらは前オーナーがいじったに違いない。
まぁ、個人的にも垂直が好みではあるが…
せっかくの『アライくん』である。
ここは生みの親である“奇才”柏木氏のセンスを信じ、
尾っぽのヒートンは斜め45°で使ってみてはどうだろうか。
釣れ釣れ度■■■□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■□□
「アレッサンドロ・デル・ピエロ」度■■■■■