スプラッシュクラブのルアーは、一部を除いて、福袋率が高かった。
そうでなくても、
釣具店の隅っこで変色し、ほこりをかぶっていたり、
ワゴンセールでも売れ残っていたり。。
無理もない。
バスバブルの頃は、
「いったい何を、どこを、狙って作ったのか…」理解に苦しむような、
エキセントリックな風貌のルアーを連発していた。
ぼくも、
見た目がファンシーなのが気に入らず、
ほとんど手元に残していない。
しかし、
(一部ではよく知られた話だが)
スプラッシュクラブのルアーは、どれも、
かなりの実力派なのである。
ぼくは、特に、
『S.C.クルル』を推したい。
ウッド製の小粒なシングルスイッシャー。
“ルアー名”と“飛び出した目”が放つ
手に取らせないオーラ
は相当なものである。
ところがどっこい、
「釣れる」。
キャスタビリティーにはやや難があるものの、
バスの視界にさえ入ってしまえばこっちのものだ。
プロップの役割はブレーキ。
ボデイ形状と相まり、ピンスポットを移動することなく、
魅惑的な水ヨレで誘う。
コツは音を出さないこと。
年の瀬、厳寒の亀山ダム。
『S.C.クルル』は、
トップウォーターでバスを連れてきてくれた、
思い出深いルアーである。
釣れ釣れ度■■■□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■□□
「醜い姿によって数奇な運命をたどった『心のやさしい化け物』」度■■■■□