昔、ちょっとした知り合いにメガバスのコレクターがいて、いくつもの大きな衣装ケースが、メガバスのルアーで満杯になっていた。
(今現在、そういう人っているのかな?)
毎日、何軒も釣り具店をまわりながら、買い集めているらしかった。
方向性の違いから、間もなくして音信不通になったのだけれど、ある日、レンタルビデオ店でその人を見かけた。
声をかけようと思ったら、その人はわき目も振らず、一直線に、威風堂々たる姿で、アダルトコーナーへ…。
その風格たるや「侍」の如し。
衝撃で体が動かず(本当は、なんか悪い気がして)、声をかけられなかったのだけれど、、、
当時はメガバス人気の絶頂期。
なかなか普通には買えないはずのルアーをあれだけ集めた人。
やはり「違う」、「さすがだな」と。
好きなものにここまで真っすぐになれる。
なんて「ピュア」で「熱い」男なんだろうと、その時(アダルトコーナーに入っていく背中を見つめながら)、感銘を受けたのを覚えている。
“ディープX200”を手にすると蘇る記憶。
まぁ、きっと、衣装ケースの中にたくさん入っていたのだろう。
当時のメガバスルアーの中では、確かに買いやすい方だったしね。
アクションは、タイト。
ボディを細かく震わせながら泳ぐ。
クランクっぽくない。
北浦のオダに投げてよく釣れた。
でも、他のクランクでもよく釣れた。
「“ディープX200”じゃなきゃ釣れない」という状況を、ぼくも、身近な人間も、知らない。
でも、やっぱりかっこいい。
“メガバス”のルアーは、どこか「侍」っぽい。
釣れ釣れ度■■□□□
ロスト度■■□□□
レア度■■□□□
「プロジェクトX〜ラストサムライ アダルトビデオに挑む〜」度■■■□□