小学校3年生の頃、一つの衝撃的な釣りと出会った。
ぶっとい延べ竿に、餌は生きたカエル。
そう、「ポカン釣り」である。
当時読んでいた釣りの本に、
「ナマズ釣りのスタンダードな釣法」として紹介されていた。
餌は生きたカエル
…それだけで、とんでもないバケモノが釣れるような気がしたものである。
反面、カエルが大好きなぼくには(爬虫両生類関連の図書資料も幼い頃から愛読していた)、若干の抵抗感があった。
ところが、ごく身近に、
「やったことがある」
という者がいるではないか。
父と祖父だ。
「昔、近所に三角池という池があって、『ポカン釣り』で雷魚を釣っていた」
というのである。
昭和30年代の事だろう。。
〈以下、祖父談〉
その三角池では、
1m30〜40cmの雷魚が、
群れをなして泳いでいたという。
三角池の雷魚がそれだけ大きく育つのには、こんな裏話がある。
当時、三角池の隣は、火葬場だっだのだが…
現在と違い、火葬炉の性能はかなり悪かった。
かつ遺体の内臓部分は水分が多い。
そのため、“生焼け”になることが多かったのだという。
そこで、火葬場の職員は、
遺族に遺骨を引き渡す前に、
生焼けになった人肉を三角池に“投げ入れていた”のだという。
その人肉を食べて育ったのが、三角池に棲む雷魚なのだ。
そのため、1m以上の雷魚はざら。
(簡単に釣れる。)
中には2m近い個体もいたという。
しかし、時は高度経済成長期。
間もなくして、三角池は埋め立てられ、火葬場も取り壊されてしまった。
〈以上〉
ぼくが知っているその場所は、巨大なマンションだ。
結局、未だ、「ポカン釣り」はしたことがない。
釣れ釣れ度□□□□□
ロスト度■□□□□
レア度■■□□□
「バークレイあたりで出してくれないかな?“もつ焼き”の味と匂いがするルアー」度□□□□□