ムチョウワークス/ヘラクレス

W杯のセネガル戦を観ていて思い出した。

 

 

 

小学生のとき、少しの間だけ、クラスにアフリカからの転入生が来たのだ。

 

 

とてもいいクラスだったので、突然やって来た黒人を奇異の目で見る者は誰もいなかった。

 

 

 

ところが、、

 

 

ある日、事件が起きたのだ。

 

 

みんなで校庭で遊んでいると、

 

彼が、突然、

 

アリを食べ始めたのだ。

 

 

 

もちろん、アリ事件は、

瞬く間に、クラスの皆に広まった。

 

 

 

 

ぼくは内心、彼に対して、

「何やってんだよ…」

とイライラしたのだが、

 

 

(当時、周囲からからかわれている友人がいると、あえて、そいつと遊ぶようなところがあったぼくは、)

とっさに、彼をフォローしよう考えた。

 

 

 

そして、クラスに、こう広めたのだ。

 

 

 

「彼の国では、アリを食べる文化がある」と。

 

 

 

それで終わればよかった…。

 

 

 

驚いたことに、

ぼくが、とっさに、適当に考えついた嘘に、、

担任が乗っかってきたのだ。

 

 

 

もちろん、彼に対するからかいなどは、その後、全くなくなった。

 

 

 

 

「しかし」である。

 

 

その彼が再び転校する直前、彼の両親が、学校に乗り込んで来たのだ。

 

 

明らかに、“怒り”と“呆れ”が入りまじった表情をしていた。

 

 

 

主訴は、

「私たちの国には、そんな文化などない!」

「がっかりだ!」

みたいなことだった。

 

 

 

そんなことを校長室で、

校長と担任に対して、

とても紳士的に、

でも、やや長い時間、

熱く、

話して帰っていった。

 

 

 

“なぜ、ぼくが、この一件を知っているのか”

というと、、

 

 

ぼくも呼び出されたのだ。

 

その時、

校長室に。

 

 

 

「これが首謀者です」ってな感じで。

 

 

 

「いやいや、勝手にあんたが乗っかってきたんでしょ!」

と、生意気だったぼくは、

乗り込んできた黒人の父母よりも

ずっと怒り狂って

担任に反抗した。

 

 

まっ、そんなことがある前から、

ぼくは小学校の先生が大嫌いなのだが…。

 

 

 

『ヘラクレス』

サイズ/約110mm(ボディのみ)

ウエイト/42.6g

ブランク素材/バスウッド

価格/約6,000円〜

 

 

アリ柄。

 

水に負けてしまうので、サイズのわりに動きは軽い。

 

あまり釣れない。

 

 

 

というか、

「そもそも、何食べてんだよ!」って話だ…。

 

 

 

間もなくして、その家族は、今度はスペインへ行ってしまった。

 

 

日本を発つ直前、ぼくに、アフリカのどこかの部族のものだとかいう“大きなお面”を手渡して。

 

 

アリの味くらい聞いておけばよかった。

 

 

 

釣れ釣れ度■□□□□

ロスト度■□□□□

レア度■■□□□

「モハメド・アリ」度■□□□□

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