その昔、2つ下の弟が、
「兄ちゃん、これが釣れるんだよ」
と言いながら、タックルボックスからひとつのルアーを出してきた。
それは、珍妙なシルエットの、巨大なルアーだった。
しかも、まっ黄っ黄。
シマノの「ハンマー」で痛い目にあったことのあるぼくは、
(あぁ、やっぱりお前もだまされたか…)
と思ったのだが、、、
それは杞憂に過ぎなかった。
多分、今でいう「ビッグバド」と同じようなスタイルで使っていたのだろう。
元来、ぼくよりも“釣りのセンス”がある弟は、その巨大で珍妙なルアーを駆使して、本当によく釣っていたのだ。
それが、オリジナルの「ワンマイナス」だったのである。
その頃のぼくはまだ「ハンマー病」が完治していなかったので(笑)、迷わず小さいサイズを選択した。
でも、色は真似して、まっ黄っ黄。
マンズ「ベビーワンマイナス」
しかし、同じようにはいかなかった…。
意外と潜ってしまうのだ。
もちろん釣れることは釣れるのだけれど、
オリジナルのような「ボヨンボヨン、グリングリン」という動きは出せない。
タックルバランスのせいか、バイト時に弾かれることも多かった。
(これ、そんなにいいルアーなのかなぁ)
間もなくして、そのポジションを、他のルアーに奪われてしまった。
ただ、その見た目と質感はたまらない。
シールの目。
メーカー、モデル名の浮き出し。
ねっとりとした素材感。
膨れたマンボウのような“キモ可愛さ”。
バイトマーク。
ボディから放たれる異臭。
どれも最高だ。
釣れ釣れ度■■■□□
ロスト度■■□□□
レア度■■■□□
「アロマテラピー」度□□□□□