最近はコウモリも少なくなったような気がする。
都会では、昔のように塒(ねぐら)が見つからないのかもしれない。
さて、、
コウモリといえば、やはりこのルアーだろう。
『バッドトリック』
第二次バス釣りブームの意欲作である。
発売元が「ホッツ」で、企画・製造が「バス・ダス」。
そう…「よくばりオカッパー」の。
定価/1,980円
ブームの衰退とともに清々しく姿を消したものの、
その特異な(かといって、キワモノ扱いではない)スタイリングから、
『バッドトリック』は愛好家の間で今なお伝説的に語られている。
現在の取引相場は、人気カラーで2,000円強といったところか。
バス・ダスの出世頭である。
個人的には、何がいいって、そのサイズ感。
羽こそ小さいが、
ボディサイズはまさに本物のアブラコウモリ(イエコウモリ)。
開発者はコウモリを“知ってる”人物だと思われる。
それだけでも嬉しくなっちゃうってもんだ。
「ブラックバット」
実はぼく、アブラコウモリを、捕まえて、しばらく飼っていたことがあって。。(もう時効だろう)
だから、このルアーには、一方ならぬ愛着をもっている。
「フルーツバット」
小学生のとき、
夕方になると家の前を飛びまわるコウモリを見て、
「捕まえたい!」
と猛烈な衝動に駆られた。
早速、虫とり網を持ち出し、コウモリ目がけて振り回していると、
通りかかった近所のお兄さんが声をかけてきた。
「コウモリは超音波を出しているから絶対に捕まえられないよ(笑)」
と。
その一言で完全に火がついた。
最初の一週間、ぼくは網を持たず、ひたすらコウモリの動き方や飛行ルートを観察した。
「アルビノグロー」
そうして、
ヤンマほどではないが、飛行ルートには一定の法則があること
上下動、または急激な方向転換、のタイミングで胴(首?)を捻る—つまり一瞬よそ見をする—こと
を発見したのだ。
蛇行飛行をしているときは、とても人間(小学生のぼく)ごときのスピードでは太刀打ちできない。
したがって、上記2つのポイントを軸に、魚捕りならぬコウモリ捕りを実行へと移した。
助手に弟を動員したことが功を奏し、
結果、1日目に、あっさりとコウモリを捕獲することとなる。
「ゴールデンバット」
弟が、急旋回したコウモリの目の前に竹竿を振り上げる。
すると、軽くパニックを起こしたコウモリは、ただでさえ狭い住宅街の空中で行き場を失い、
進路を180°変えながら、上昇、または下降へと転ずるのだ。
その瞬間、多分、コウモリは前をよく見ていない。
そこを、「虫とり網でバサッ」である。
コウモリに(そのへん、ぼくは詳しくないから分からないが…)超音波を受信する間(ま)、受信してから反応する間、を与えなかったことがよかったのかもしれない。
ちなみに、コウモリはさすが哺乳類で、多少は脳みそがあるらしく、同じようなことを数回繰り返しているうちに、全く捕れなくなってしまった。
捕まえたコウモリは、当初、鳥かごに入れておいたのだが、ここでも頭のよさを発揮する。
しばらくは格子の前を「カサカサ…ウロウロ…バタバタ…」としていたのだが、
突然立ち上がると、
腹筋に力を入れてお腹を凹ませ、
カニ歩きで格子の隙間を抜けて逃げ出したのだ。
衝撃的かつ笑撃的であった。
30年前のその光景は、今でも脳裏に焼きついて離れない。
さて、肝心のアクションだが、、
やはり開発者は、コウモリを”知ってる“人物、「コウモリ博士」で間違いない。
自信が確信に変わった。
『バッドトリック』は、捕らえられたコウモリのように、水面を「カサカサ…ウロウロ…バタバタ…」とするのだ。
決して泳ぐのではない。
這いつくばって、「カサカサ…ウロウロ…バタバタ…」。
その姿は完全にコウモリ。
正直、バスルアーとしては微妙だ。
羽の根元もけっこう繊細で、割れやすい。
※裏面「バッドトリックの法則」も、紙面構成、内容、ともに素人感丸出しで、、好きだ。
どうやら、開発者は、バス釣りのことはよく知らなかったようである。
でもね…
稀に、コンクリート護岸のえぐれにコウモリがぶら下がってること、、あるよねぇ。
まさか、本気でコウモリパターン!?
釣れ釣れ度■□□□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■□□
「上野動物園 監修」度□□□□□