先日、親友のイチロックと“ネズミを模したルアー”の話になった。
「近年、我が国でも、市民権を得つつあるのではないか?」と。
※ケースに入っている段階で嫌な予感しかしない…
もっとも、“ネズミを模したルアー”は、カテゴリを問わず、古くから存在している。
日本とは異なり、北アメリカには、小型のげっ歯類が多種生息しているのだから、至極当然であろう。
本国ではメジャーなベイトなのである。
一方で、我が国における「ネズミルアー事情」といえば、
ペイントしたときの座りのよさや見た目のかわいらしさを基軸としたものがほぼ全てである。
ベイトとして成立しないので、リアルに寄せる必要がないのだ。
でも、それじゃあ、やっぱりつまらない。
ぼくらが求めているのは、最上のリアルである。
想像してみてほしい。
夕陽に染まった穏やかな湖面で、本物と見紛うばかりのネズミルアーを滑らせているアングラーの姿を。
ゆったりと流れる時間(とき)。
—それはまぎれもなく、富裕層や貴族のたしなみである。
投げるのは、そう、、
ワトソンズ『Wrats(ラッツ)』がいいだろう。
“wrap+rats”で「Wrats」なのだろうか?
もちろん日本製ではない。
一時期、「POPEYE」でたくさん売られていたのだ。
ポパイ…
懐かしい…
ぼくは「POPEYE 246」。
(学校帰りにはよく「POPEYE METRO」にも寄ったなぁ)
舶来物がたくさんあって好きだった。
さて、“wrap+rats”の「wrap」の部分…
「Smallmouth Wrat」とある。
そういう種類のネズミなのだろうか?
そして、本物のネズミ革でラップしているのだろうか?
なかなかのインパクトである。
このルアー、本領が発揮されるのは水に濡れてから。
突然、死体が動き出すのだ。
見た目と質感は、釣り人なら一度は見かけたことがあるであろう、水面を泳ぐヌートリアやドブネズミ(を小さ〜くした生物)そのもの。
「スーッ」
「ぬらぬら〜」
その姿を端的に述べるなら、「ゾンビ」である。
結局、最上のリアルは、最上の気もち悪さであったのだ。
でもね、、大の大人がかわいいネズミのルアーを投げていたら、そっちの方がよっぽど気もち悪いと思うんだよなぁ。。
※「ピラニアの剥製」のトラウマがあるぼくは、このルアーにも虫が湧きそうで、ずっとビクビクしている…
「POPEYE」がまだ元気だった’90年代中頃〜2000年頃のルアー。
けっこう高くて、3,000円くらいはしたような気がする。
釣れ釣れ度■□□□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■■□
「ホラー・ナイト」度■■■■□