一体どれだけの人が、初見で、飛行機だと認識することができるだろう。
ぼくが初めて見たときは裸の状態で、
翼の英語もまだ読めなくて、
しばらく新幹線のルアーだと思っていた。
水回りに発生する小さなハエ(チョウバエ)にも、なんとなく雰囲気が似ている。
サンケイベイト『ウォータープレーン』
イエロー(ゴールド)
このルアーの魅力は、
やはり、
その「対象魚」にあるだろう。
(飛行機に見えないのに飛行機と言い切っているところも魅力ではあるが)
特に「海」の項目が狂っている。
ファイトはバス釣り愛好家の想像を絶するものだろうし、
そもそも、釣りの規格が異なる。
『ウォータープレーン』で獲れるわけがない。
ピンとこない方のために、いくつかの対象魚ついて、勝手なイメージや経験を含め、以下に述べたい。
(異論があってもご寛容のほどお願い申し上げます)
【サワラ】鋭い歯をもつ獰猛なフィッシュイーター。バス持ちした日には一瞬で指の肉が削げるだろう。全長100cm。
【ヒラメ】根本的に、このルアーはヒラメのいるところまで飛ばない。飛行機だけど。
【サバ】簡単に釣れるわりに引きが強い。良型(最大で50cmにもなる)に走られると、けっこう焦る。アニサキスの痛みも強烈だ。
【カツオ】クラス最速を誇るという回遊魚。弾丸のように走る。で、1mを超える。ただ、なんか、極端に頭がわるい魚のような気がしてならない。
【マグロ】マ…マグロ!? すしざんまい!!
【ハマチ】なぜここは、ブリじゃなくてハマチ? そもそも、こういった回遊魚の筋力と持久力は、淡水魚のそれとは比べものにならない。
【ヒラマサ】「海のスプリンター」。圧倒的パワーとスピード。日本でもメーターを優に超えるが、世界の記録では全長250cm、重量で96.8kgだ。
【シイラ】「スーパースプーク(ソルトウォーターVer.)」を余裕で粉砕された。笑
※『釣り人のための遊遊さかな大図鑑』(中坊徹次監修,小西英人編著,2007,エンターブレイン)より一部抜粋。
…一体、何があったのだろう。
決して冗談ではなく、これらの魚と比べると、バスなんて「釣ってください」と自分から寄ってくるレベルだ。
なぜ、絶対に獲ることができない魚を「対象魚」として載せなければならなかったのか。
何が、作成者をそうさせたのだろうか。
このあたりが、コーモと違い、「サンケイベイト」が生き残れなかった理由なのかもしれない。
まっ、ひと昔前の某老舗有名釣具店の若い店員だったら、
「バスロッドで全然イケちゃいますよ!」
と客にアドバイスしていることだろうが。。
釣れ釣れ度ー
ロスト度■■□□□
レア度■■■□□
「輝く翼と可変リップのメルヘンルアー」度■■■■■