ケーアンドビー/釣りキチ三平 Lure Collection

2004年

 

 

栗山米菓とのコラボレーションで生まれた『釣りキチ三平 ルアーコレクション』。

 

(そもそも、ケーアンドビーは、栗山米菓のグループ企業のようだ)

 

 

「ばかうけ」のおまけ

というか、

おまけに「ばかうけ」が2枚付いていた。

 

280円だったか。

 

 

「ルアーが欲しかった」というよりは、

『釣りキチ三平』が好きで買った。

 

右側のスプーンがシークレット。鳴鶴先生のルアーを三平が即席で改造した「改良野ネズミ型特大ルアー」だ(『イトウ(魚偏に鬼)の原野』)。

 

 

売っているコンビニが少なくて、当初、探しまわった記憶がある。

 

 

幸せなことに、大して釣りに興味のない友人らが、これを買ってはルアーをぼくにくれた。

 

 

個人的には、大好きなエピソードである『シロギスの涙』が含まれていないのがやや不満。

 

サザエの殻とか、戦艦とか、あえて十五段先生とか、(←どれもシークレットで!)をルアーにして欲しかった。笑

 

 

ダブりも含め、もっとたくさん持っていたのだけれど、

今、手元に残っているのは最上段の写真のものだけ。

 

 

ねっとりとした素材感は「パグノーズ」をも彷彿とさせる。

 

ただし、中身はスカスカ。

 

アクションを抜きにして考えると、ぼくは、この2つがルアーとして一番格好いいと思う。まぁ、、アクションを抜きにした時点で、それはもうルアーではないのだが。笑

 

 

“テストを繰り返した本当に使えるルアー”

という触れ込みだったが、実際にはかなり厳しい…。

 

テストデータをきちんと解析したり、活用したりすることはないのだろう。

 

 

まっ、釣り具なので当たり前。

 

このあたりは、テスターの感覚のみだ。

 

 

確かなのは、「テスターは釣りが上手くないであろう」ということ。

 

テスター及び原型師は、魚にすら疎い人物の可能性もある。よくよく見ると、ディテールも酷い。

 

 

しかし、

厳しいものの

ネットや書誌で酷評されるほど、泳がないわけではない…と思う。

 

「思う」というのは、

実際に使ったのが、

開封されているもの+一部のルアー

だけだから。

 

中でもこの3つはルアーとして優秀。赤針の“本気仕様”ムツゴロウが切ない…。六浦五郎(むつうらごろう)との友情を育んだ『有明海のムツゴロウ』は、三平の凄みすら感じさせられる最高傑作の一つだ。

 

 

ポイントは、フックのサイズを推奨されているものより1サイズ上げること。

 

または、太軸のものにする。

 

そうやってバランスをとってもらう。

 

 

そして、PEや細いナイロンなど、柔らかいラインを使うこと。

 

 

これだけで、少しはマシなルアーになる(やっぱり厳しいけれど)。

 

※“潜水艦”に引きずられる三平(『四万十川のアカメ』)。造形の甘さが泣かせる。これもシークレットだ。

 

 

とはいえ、「使えるか、使えないか、で言うと使える」のであって、

使う価値があるわけではない。

 

 

特に、リップの付いている物は、

普通に巻くと、

より深刻な現実が待ち受けている。

 

 

しばらく後に発売された第二弾は、自分では一つも買わなかった。

 

友人がくれたものをいくつか持っている)

 

 

 

そうして、そのまま、未開封→永眠

 

『ハワイのブルーマーリン』も名作中の名作だ。「デビル・ソード」の恐ろしさを、なんとか、表現して欲しかった。

 

 

今となっては、ルアーそのものより、パケ裏面のエピソードの方がよっぽど大事である。

 

 

 

釣れ釣れ度ー

ロスト度ー

レア度■■■□□

「釣友葬」度■■■□□

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