釣具屋の店員の言うことほど、信じられないものはない。
適当なことしか言わないような人たちが釣具屋の店員になるのだろう。
少なくとも、釣具屋の店員は、素人が多い。
しかし、極々稀にだが、有益な情報を得ることもある。
あるとき、ある釣具屋で、客と店員がひそひそ話していた。
「…やばいね…マジで、釣れる」
「ポッ◎$&ャ#@」
「ワ%△ド…ンサー…は、すごくいい」
と。
ぼくは、悪人に 気づかれることなく、その密談を盗み聞くことに成功する。
話題の主は、ワイルドダンサー『ポッピンジャイブ』であった。
(2006年)
サイズ/大体100mm
ウエイト/27.0g
ブランク素材/多分ホウ
価格/大体3,500円
当時のワイルドダンサーは、良心的な価格設定で、質素なルアーをリリースしていた人気ブランド。
そして、この「質素」というのがミソなのである。
コーティングは薄く、装飾もごてごてしていないため、
“アクションさせて魚を誘う”
というルアーの本質が最大限に生きるのだ。
事実、『ポッピンジャイブ』は、とにかく、よく動いて、よく釣れる。
「ゴボォン」「カポッ」「チュプチャプ」…と、サウンド・スプラッシュは自由自在。
もちろん、サイレントに、引き波と水押しで誘うこともできる。
特筆すべきは、スケーティング。
どういうわけか、スイスイと左右に首を振る。
ボリュームを抑えたシルエットも、いい。
インディーズ系のトップにはまった頃、他にはない使いやすさで、補修しながら投げ続けていた。
超高性能なアナログルアーである。
釣れ釣れ度■■■□□
ロスト度■□□□□
レア度■■■□□
「かげろうお銀」度■■■□□