剥製工房 フィッシュワールド/BEA-9 ② (ワカサギ)

宝石商だった祖母から、

ブラジル土産に

「ピラニアの剥製」をもらったことがある。

 

 

ぼくが喜ぶと思ったらしい。

 

 

もう、30年以上前の話。

 

 

もちろん嬉しかったのだけれど、、

 

 

その「ピラニアの剥製」は、

甘いような、香ばしいような…

“独特の匂い”を部屋中に放つシロモノだった。。

 

 

数日後、ぼくは、

「ピラニアの剥製」の下に、

“原因不明の茶色い粉末”が落ちていることに気づいた。

 

 

最初は、ヒレの先とか、細かい部分が、崩れて粉々にでもなったのだと思った。

 

 

しかし、いくら掃除しても、

数日経つと「ピラニアの剥製」の下には同じように粉が落ちている。

 

 

その量は日に日に多くなり、

ついには、こんもりと積もるようになった。

 

例えるなら、“砂時計の砂”みたいな感じ。

 

 

そして、ある日を境に、

粉末状の粉の中に、

1〜2mmの丸い粒々が混ざるようになったのだ。

 

 

「なんだこれは?」と思って見ていると、

初めはじっとしていたその粒々が、

もぞもぞと粉の中に潜っていこうとするではないか…

 

 

虫だ…⤵︎

 

 

“めちゃくちゃ小さいカブトムシのメス”みたいなやつ。

 

 

そこでぼくは、

「ピラニアの剥製」を手に持ち、

激しく振ってみた。

 

 

すると…!

 

 

鋭い牙を誇示するように大きく開けたピラニアの口の奥から、

 

「パラパラパラパラ…」と、、、

 

 

続く

 

 

 

釣れ釣れ度■■□□□

ロスト度■■□□□

レア度■■■■□

「『検疫』は大丈夫?」度■■■■■

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