関東地方の有名河川。
煙るような細かい雨が降る真夜中。
川面にはもやがかかり、対岸はもちろん、中心部すら霞んで見えない。
勝手知ったる、堰の上流部。
巨大なプールになっているこのポイントは、いいサイズの魚を数多くストックしている。
しかし、この日は、全く反応がなかった。
まぁ、そういう日もある。
そろそろ帰ろうと思い視線を上げたその時、
流れる川霧の隙間に、
黒いカヤックのようなものがのぞいた気がした。
「いや、そんなわけないか…」
と思いもう一度目を凝らすと、
数十メートル先の川面に、確かに、
真っ黒いカヤックが浮かんでいたのだ。
しかも、霧の晴れ間からのぞくカヤックは、1艘や2艘ではない。
その数、およそ10艘。
上流から…
それとも、
濃霧と霧雨にまぎれて、
ずっとそこにいたのか…?
おもしろくなってきたぼくは、素早く片付けを済ませ、少し離れた場所から眺めていた。
しばらくすると、カヤックは、続々と着岸した。
1艘に1〜2名が乗船していたのだが、
黒いのはカヤックの色だけではない。
パドルはもちろん、
10数名いる乗船者の格好は全てお揃いで、
真っ黒。
寒くないのに、黒いニット帽までかぶっている。
顔も黒い。
ガングロかゴングロかで言ったらゴングロ。
いや、バチグロだ。
ドーラン?
隠れて様子をうかがっているぼくも、
千ョ→ぁけ〃レまo∋~
である。
(古い…⤵︎)
暗闇にまぎれ、音もなく、極めてなめらかにカヤックを漕ぐ集団。
そりゃ、気づかないわけだ。。
そして、釣れないわけである。
真っ黒い集団は河川敷で集合すると、
互いに身振り手振りを交わしながら、
瞬く間に撤収していった。
音もなく、跡形もなく。
その後、どこへ消えたのかは、追わなかったので分からない。
プロだろうか?
特殊部隊の訓練。
それか、マニア。
マニアをナメてはいけない。
マニアならやりかねない。
ちなみに、
後日、後輩が、
同じ場所で、
同じ経験をしている。
釣れ釣れ度■■□□□
レア度■■■□□
ロスト度■■□□□
「センターGUY」度■□□□□